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08/03 2026 Monday

豊中地域精神保健協議会乾杯挨拶(2026/7/24)


今日は私にとっては最後になると思うので、遺言、前回も同じく言ったような気がするのですが、改めて遺言を言わせていただきますので乾杯の前に少し時間を頂きます。
この豊中精神保健福祉協議会というのは元々三部会あり、医療部会、学校部会、職域部会で構成されていました。トヨノオピニオンを知ってる人は知ってるし、知らん人は全然聞いたことないと思うんだけど、この豊能地区のこころの問題についていろんな意見を述べるということで、オピニオンというのと、豊能のピニオン、ピニオンとは小さな歯車のことですが、その歯車が嚙み合って行って大きな力を出すということで名前がについたのはトヨノオピニオンでした。89年7月に始まりましたが、当時は古い保健所で、夏の暑い時に空調も無く、電気も暗い中でみんなでいろいろ議論し合ったのが始まりだったのです。それが豊中精神保健福祉協議会の4部会目としてこの地域部会になったのです。今日のこの会は地域部会だと思うのですが、今日の出席者名簿見させてもらうと、まるで豊済会と北斗会の懇親会みたいになってしまっているのに驚きました。今日は家族会からも当事者会からも1人ずつの出席はありますが、昔はもっともっと来てくれました。保健所からは多くの相談員の方、一時は保健所長まで来てくれたけど、今日は保健所一人だけ、診療所協会はゼロと知ってビックリ、何を考えとんやという思いです。豊中市の福祉の人もたくさん来てたんですよ。それがもう変わってしまった。変革するというなら、私はもう何も言いません。私はただ歴史をちょっとお話しとかないかんなと思って、話させてもらいました。
とにかく今精神医療は、地域医療構想だけじゃなくて、いろんなことが良くも悪くも変革しています。私が心配するのは、タイパとかコスパというものばっかりが追いかけられていることです。
病院としても生き残りがかかってくるということになると、早く良くなろうが、まだ良くなっていなかろうが三ヶ月入院させたらパッと退院させるようになり、非常に心配なんですね。患者さん、患者さんによって違うはずです。まずコロナになってからいろんな会議がしにくくなったこと、医療安全の名のもとに「守り中心」あるいは組織firstになっている。また病院も入院でベッド埋めてナンボになっていることで、そこに救急が使われている。働く人を集めるのも「うちは救急がないから」と謳って常勤医や非常勤医を集めている。私は今も他県で当直しているが、大阪府はまだましなものの、患者責任制、自院責任制、地域責任制を無視して救急輪番ファーストになっている。要は救急医療の「つまみ食い」が蔓延している。
また介護や福祉領域、医療では在宅領域に株式会社がたくさん入ってきてタイパコスパを追及して利益追求中心となってきたこと、自立支援法から総合支援法になってサービスは増えたがそれに当てはめるだけになり、これを私はネオナチならぬネオソチと言っているのですが、それが医療も福祉も介護でも蔓延してきている。これを担当するのが専門家というならタイパコスパ的にはAIで十分と思います。
このような中で今後の方向性がちょっと見えなくなってきている。介護福祉の世界でもできるだけタイパをよくするために、ご本人たちのいろんな力を借りないで、代理行為というのが増えてしまってる。これもまた問題やなと思っているところです。精神科でもこの傾向が強くなり昔の精神科病院ならぬ精神病院時代に逆戻りしかけているように思っている。
恥ずかしながら、さわ病院でもこんなことがありました。
私はまだ本院と分院で外来やってますけど、1人70過ぎの長く診ている患者さんが熱中症で任意入院したけれども、どうなっているか心配していたら、今後この施設がいいでしょうかと聞いて来たので、外出外泊はと聞いたらしていない、本人はどう言ってんのと聞いたら聞いていないという。外来日なので診察室に来てもらって聞いたら、「元の家に戻りたい」、「元の暮らしがしたい」と、自分に置き換えてもそれはそうだろうなと思っておしまいしたんですよ。ここでも方向性が当事者中心でなくなってきたのは怖いなというところですね。
以前にも言ったと思いますが、再度、ノーマライゼーションの提唱者バンクミケルセの言っていた①自己決定②能力の活用③生活の継続の3つと、1972年にPerskeが提唱したdignity of risk(失敗できる尊厳)をお送りします。子供のお買い物、初めてのお買い物っていうのはありますが、あれと同じように、少し心配なことがあっても、ちょっと見守りながら本人の力を出せるようにすることが大切ということです。
今後お話することは無くても、私のホームページdrsawa.comに私は考えを述べていきます。興味あれば見てください。
さてそれでは、皆さんがこのトヨノオピニオンを育ててくださるということをお願いしたいと思い、トヨノオピニオンあるいは地域部会のさらなる発展と、この地域で暮らす方たち、とくに障害がある人、あるいは私を含めた高齢の人たちにとって幸せな世界を作っていく大きな力になることを祈念して乾杯したいと思います。ご唱和ください。乾杯。